昨年夏の記事はこちら↓
家がだんだんと形になってきました。今日は上棟式です。
夏の記事でも書いたように、山の畑から木材を出すより、
本当は量産された木材を買ってきて建てたほうが安いんですね。
そこをあえて、というのは、
そこはお金じゃないという旦那と私の“価値観”があるからです。
その想いを汲んで、最大限活きるように木を切り出してくださる
職人さん皆さんには本当に感謝の気持ちでいっぱいです。
規格がある程度決まっている大手住宅メーカーさんだったら、
こんな形にはならなかったと思います。ありがとうございます。
記録を兼ねて、これまでの経緯を振り返りたいと思います。
想いが動き出すまでには課題がたくさん
『山の畑の檜を切り出して、家の材に使いたい。』
最初に旦那がそう言ったとき、実現するためには
いくつもの解決しなければならないハードルがありました。
- 檜をどう切るのか
- 切った檜を畑から下せるのか
- それを頼める業者さんはいるのか
- そもそも畑の檜は材にできる品質なのか
- それは見分けられるものなのか
- 切った檜はどうやって運ぶのか
- 切った檜はどう製材するのか
- 製材した檜を使って家を建ててくれる業者さんはいるのか
- 一連の作業はいくらお金がかかるのか
ざっと思い出すだけでも、こんなことで頭の中はグルグルでした。
そんな中でたどり着いたのが、ログハウスを手掛ける
天城カントリー工房 さんでした。
山の畑に檜が……というところから経緯を説明すると、
「いいですよ、できますよ。」と請けてくださいました。
木を切り出してくれた業者さんも
天城カントリー工房さんが「できる」と言ってくださったのが
なんと心強かったことか。天城カントリー工房さんは
- 木を切り出してトラックで運べるところまで下ろしてくれれば、
続きは私達の工房でできますよ!
と言ってくださったので、あとは
- 木を切り出して下ろしてくれる木材屋さん
を探せばつながる、というところまで話は進みました。
そこで、地元の木材屋さんにも経緯を説明し、相談しました。
木材屋さんも
「普通に材木を買って建てた方が安く済みますよ、本当にいいんですか?」
としきりに心配してくださいました。
すごく親身に相談に乗ってくださり、そういうことならと請けてくださいました。
で、また、その作業が見惚れちゃうぐらいカッコイイっていう。
プロの人の仕事ってすごいなと、心から思いました。
たくさんあった課題は、次のように解決しました。
- 檜をどう切るのか
⇒業者さんの技術でみかんを残して檜だけ倒すことが可能 - 切った檜を畑から下せるのか
⇒業者さんの技術で畑から道路へ下ろすルートを見極めてもらい、可能と判断 - それを頼める業者さんはいるのか
⇒地元の業者さんに依頼できた - そもそも畑の檜は材にできる品質なのか
⇒天城カントリー工房さんに畑へ来てもらいチェック、使えると判断 - それは見分けられるものなのか
⇒特に品質の良さそうな木を見てもらい、切る前に印を付けてもらった - 切った檜はどうやって運ぶのか
⇒中継地までを木材屋さん、その先を建築屋さんのトラックで輸送 - 切ったヒノキはどう製材するのか
⇒天城カントリー工房さんの作業場で製材可能 - 製材したヒノキを使って家を建ててくれる業者さんはいるのか
⇒天城カントリー工房さんに依頼できた - 一連の作業はいくらお金がかかるのか
⇒畑から木材にするまでで250万円程度でした
山の檜が、価値を持って“残った”奇跡
山の檜は、こんなに立派に形を変えて材として残りました。
これから何十年と私達を包み、そして支えてくれます。
でも、これって奇跡だなって思う気持ちもあるんです。
だって、旦那がまず、
「山の畑なんてどうするんだよ、厄介なものを遺してくれたな」って
思考の持ち主だったら、その時点で檜はただ朽ちるだけだった。
旦那が「山の畑の檜で家を建てたい」って言ったときに、
私やお義母さんが
「何言ってんの、買った方が安いんだからお金がもったいない!」
なんて却下してたら、やっぱりつながらず檜は朽ちた。
そんなふうに、
天城カントリー工房さんが「やりましょう!」って
言ってくれなかったら無理だったし、
木材さんが「やりましょう!」って
言ってくれなかったら無理だったし、
基礎をやってくれた建設屋さんや、
旧い家をきれいに畳んでくれた解体屋さんや、
たくさんの人の「そういうことならやりましょう」の連鎖で
(というのも、どの業者さんも優しくて
予算があるなかで最大限のいい形を模索してくださったので)
檜が活きたんだなって。
継ぎ手がなく荒れていく山や畑が多くある中で、
檜を“大きな価値のあるもの”にできた奇跡と、
そう導いた旦那の最初の「やる」って決めた決断が、本当によかったなと思います。
この新しい家が基点となって、また新しい価値を
どんどん生み出せるような暮らしができたらいいなと思います。
完成が楽しみです!