【ちょっと楽しくなる経済①】家電量販店の価格保証のひみつ

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シリーズで書いていた「はじめてのおこづかい」がファイナルを迎えて(迎えてというか私がそうしたのですが)、

【はじめてのおこづかい⑯】最終回『はじめて』を卒業します! - 田舎暮らしと子育てブログ
小学1年生からおこづかい教育を始めた双子娘の日々の様子を連載しています。 まるでアイドルグループかのようなタイトルです。 小学1年生から「はじめてのおこづかい」...

さてさてというところで、ブログをさぼらない為にも新シリーズを始めることにしました!

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難しい経済が楽しくなる豆知識をお届けします

題して「ちょっと楽しくなる経済」。

経済って義務教育で必修だった科目でもなく、ものすごく遠い存在の分野な気がしませんか?

でも、普段から家計のやりくりをしている私達にとって、経済は本当はすごく身近なテーマでもあるのです。

経済学なんて難しそう、と苦手アレルギーを発症している皆さんが、経済を楽しくもっと身近に感じられるように……

というのが表向きのテーマで(笑)

実際は私がその手の本を読んで、ファイナンシャルプランナー兼業主婦という目線でこれはおもしろいわと思った内容をノリノリでブログに残していこうというそんな企画です!

家電量販店の「価格保証」という仕組み

記念すべき1回目のテーマは家電量販店にある価格保証について。

「他店の方が1円でも安ければ、当店も同じ値段にします。」

というアレです。

あの言葉、なんて消費者想いの素敵な言葉なのと思っていませんでしたか?
実はあの言葉、本当はお店側にメリットがあるのだとしたら……。

その仕組みを分かりやすく説明します。

どうして価格保証をするのか?

近くにライバル店がある場合、売値の決めるときには、やはりそのライバル店の存在を意識しますよね。

でもお互いに、相手がいくらの売値を付けてくるかは分からない状態です。

例として、A店とB店で100人のお客さんを取り合っていると考えてみます。

A店とB店は、ある商品を1万円で売っています。

A店の店長は、この商品を値下げし、8000円で売ろうと考えました。
お客さんの立場からすれば、全く同じ商品ならより安いA店で買いたいと思いますよね。

A店はお客さん100人を獲得できます。
このとき、B店には「そのまま売るか」「値下げするか」という選択肢が生まれます。

A店の立場で考えてみてください。
B店が「そのまま売る」を選んだ場合は8000円×100人で80万円の売り上げです。
B店が仮に同じ値段まで値下げしてきた場合は8000円×50人で40万円の売り上げになります。

では反対に、B店が先に8000円に値下げした場合はどうでしょうか。

A店の立場のままで考えてみてください。
「そのまま売る」を選んだ場合はB店に100人が流れてしまうので売り上げは0円です。
B店と同じ値段まで値下げすれば、50人が戻ってくるので8000円×50人で40万円です。

これらのことから、

A店の立場からすれば「B店がどう出ようがB店より先に値下げした方が有利」

なことが分かります。

これはB店の目線で考えても同じこと。
相手がどう出ようが、先に値下げした方が有利。ですよね。

相手の出方が分からなければ、先に値下げした方が有利なので、自然と値下げ合戦が起こってしまいます。

本当は、「お互いに値下げをしない」ことが利益になるのに。
(だってお互いに値下げしなければ1万円×50人で50万円確保できますよね。)

でも、そうできない。

「囚人のジレンマ」

この状態を経済学では「囚人のジレンマ」といいます。

お互いに隔離され相方の出方が分からない囚人が、自白か黙秘かを選択する様子に例えられたネーミングです。

そんな「囚人のジレンマ」に囚われて値下げ合戦が過熱しないよう、

編み出された手段が

「他店の方が1円でも安ければ、当店も同じ値段にします。」

というアレです。

先に宣言しておくことで「安くしたところでどうせ同じにされるんでしょ。」と相手に思わせ、先に値下げしようという意思を削ぐのです。

そしてお互いに値下げ合戦に歯止めをかけ、お互いに利益を守るという。

しかも、お客さんにそれを感じさせず、何て素敵なお店とまで思わせる、そんな素晴らしい言葉の選び方なんです!

だからそんなお店がずるいっていう意味で書いているのではありませんよ。
こんな感じで、経済の仕組みって、知れば以外と面白いと思いませんか?

「ちょっと楽しくなる経済」シリーズ。

「へえ~」っていう感想だけでOKです。

少しでも興味を持っていただけたら、お金の話はタブーなこの日本の風潮が、少しずつ変わっていくのではないかと期待しています。

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