ある日、娘は店先にあるガチャガチャがどうしてもやりたくて、
その時にお財布を持っていなかったので、しょうがなく”立て替え”にしました。
「家に帰ったら、おこづかいから返してね。」と。
その時に私は、ああそうだ、と思い出して、
「でも”前借り”は借金なんだから、ナシだよ。」と伝えました。
”立て替え”=貯金箱にあるお金ですぐ返せる。
”前借り”=貯金箱にお金が足りなくて来月のおこづかいを先にもらう。
ということを言いたかったのです(厳密には立て替えも借金ですが)。
すると、
「え、なんで?」と返ってきました。
「なんでって……。借金はダメでしょ。」
「なんで借金はダメなの?」
おこづかい制でやっていると、こういう会話になる時があります。
子どもの素朴な疑問「借金は何でダメなの?」
FPmama Friendsの活動テーマの1つに『お金の話をタブー視しない環境を作る』
というものがあります。
お金の事になると「子どもなんだから知らなくていい。」とつい言ってしまいがちですが。
借金はなんでダメなのか。
こんな大事なことなのに、学校では教えてくれません
(教えるようにこれから変わっていってほしい)。
だから、おこづかいを通して、多くの家庭で
お金の話題を身近に話し合える環境を作ってほしいと思います。
さて。
そもそも借金は、本当に全部ダメなんでしょうか?
ダメじゃない借金もありますよね。
住宅ローンも借金ですよね。
奨学金だって、返済しなければならないものは借金ですよね。
会社だって融資を受けて事業を拡大しますよね。
良い借金と悪い借金の違いは、どこにあるのでしょうか?
良い借金と悪い借金の違いを見分ける2つのポイント
その見分け方には、2つのポイントがあると私は考えています。
【ポイント①】良い将来につながっているか
【ポイント②】ちゃんと返していけるのか
この2点で考えることができます。
良い借金の例
例えば、会社が融資を受けて事業を拡大するのは、社会に新しい価値を生み、
得た利益で返済もできるので良い借金です。
住宅ローンは、住宅という資産が手に入ります。
家を中心に新しい暮らしが始まり、家族それぞれが活力を得て新しい価値を生み出すので、
これも良い借金です。
奨学金も、学んだことを将来に活かして働くことができ、
収入から返済できるので良い借金です。
悪い借金の例
では、悪い借金はどのようなものでしょうか。
分かりやすいのは、生活費が(慢性的に)足りなくて借りる借金です。
ギャンブルやパチンコなどの娯楽費が膨らんで借りる借金も、悪い借金です。
これらの借金は、新しい価値を生み出すものではありません。
新しい価値を生まないので、返済資金も生み出しません。
良い将来につながっていないのです。
また、これらの状況は、そもそも支出が収入を上回っています。
収入<支出
根本的に、ここの問題をどうにかしない限り、借金は増える一方なので、
ちゃんと返していけるのかという観点で見ても良くないことが分かります。
必要なのは借金をすることではなく、
「収入と支出のバランスの見直し」ということになります。
気を付けたいのは、
住宅ローンや奨学金も、ちゃんと計画を立てて「返していける」のが良い借金の条件
だということです。
将来、金利が上昇するなどで返済が苦しくなるような金額を借りれば、
結果的に良い将来にはつながらず「悪い借金」となってしまう危険もあります。
ローンを組む際には、これは良い借金?悪い借金?
ちゃんと返していけるの?
これらのことを冷静に考えて、計画的に利用しましょう。
おこづかいの“前借り”が悪い借金な理由
では、娘達の「おこづかいの前借り」はどうして「ダメ」という判断になるのでしょうか?
それは娘達の言い分が
収入<支出
単に、自分の欲しいものが収入を超えている状況だからです。
これは、ダメな借金でしたね。
娘達には、
「来月のを借りて、足りなくてまたその次のを借りて、って繰り返したらどうなる?」
ということ。
『信用を無くすことにもつながるんだよ』ということも、
併せて伝えることができました。
“悪い借金は信用を無くすことにつながる”
子ども達には、大人になるまでに知ってほしいことの1つです。