何年も前の、たまたま点いていたテレビ番組で未だに印象に残っている話があります。
何の番組かも忘れちゃって、すごく曖昧な記憶なんだけど、その番組の企画で何か、
服とか靴とかの臭いを判定?鑑定?するような職業の方が出演していました。
MCがこんな質問をします。
「色んな臭いを嗅いでいると、だんだん分からなくなったりしないのですか?」
すると臭い判定士?鑑定士??さんは、こんな答えを言っていたのです。
「私はいつも臭いを嗅ぐ前に、自分の匂いのハンカチを嗅いで鼻をニュートラルに戻します。」
「そのために、いつも自分の懐にハンカチを入れています。」
私はすごく驚きました。
プロの“0”基準が絶対的な“0”でなかったという衝撃
なぜそんなちょっとしたことを印象深く覚えているのかというと、
私の中で
『鼻の感覚をニュートラルに戻す作業の“0の地点”って、「自分の匂い」なんだ。』
っていうのが、すごく興味深かったからです。
何か「無臭」っていう絶対的な“0”が存在しているのかと思っていたので。
『「絶対的な“0”」と「相対的な“0”」ってあるけれど、
臭い判別のプロの物差しの“0”って、絶対的な“0”じゃないんだ!!』
みたいなことを思って、「へえ~へえ~へえ~!!」と。
そういう、頭がピン!ってなる瞬間が好きな性格なのです(笑)。
自分のハンカチの匂いを嗅ぐ
さて、この話を今頃、頭の引き出しからまた“そういえば……”って思い出したのは、
「これって、ミッションメイキングに似ているなぁ。」
と思ったからです。
何か判断に迷ったときに、「自分の匂いのハンカチを嗅ぐ」。
うーん、素晴らしい。まさにです。“ミッション”とは、自分の匂いのハンカチなのです。
自分の匂いのハンカチを嗅いで、
『あっ、そうそう。私のニュートラルな状態ってこれだったっけ。』
って思い出したら、
それを基準にして目の前で起きていることを落ち着いて「測る」ことができます。
「測る」とは、「自分にとってどういう意味があるのか?」。
それは自分の基準からの、重要度で測る距離感です。
このときの「自分にとって」という“0の地点”は、人によって違うはず。
だから、絶対的な“0”は必要ないし、存在しなくて、
(絶対的な“0”をしいて言うなら万人受けする常識みたいな感じかなぁ。
探しても存在しないよね、万人受けする基準なんて……。)
そんな絶対的な“0”を求めてジプシーするぐらいなら、
自分にとっての基準となる価値観をさっさと知った方が、
色んな物事を進めるにしても速いんじゃないか?と、思うのです。
懐にそっと、ハンカチのようにミッションを持っておく。
すごく便利だと思います。